
夏の工事現場や建設現場など、外で働く方々が気をつけなければならないのが熱中症です。
顔のほてりやめまい、立ちくらみなど、比較的軽い症状のものから始まり、それが重症化すると筋肉のけいれん、吐き気、時には死に至ることもあります。
今回は作業服のプロがおすすめする熱中症対策に使えるグッズをご提案!
今の作業着や制服にプラスするだけで対策ができるので、ぜひチェックしてみてください。
なぜ暑さ対策が重要なのか

そもそも、暑さ対策はなぜ重要なのでしょうか。
「重要なのは知ってるよ!」という人もいるかもしれませんが、特に外仕事ではすぐに体調が変化する可能性もあり、甘く見ていると命に関わりかねません。
そのため、以下で解説する理由を今一度しっかりチェックして、より体調管理を意識した上で作業に臨みましょう。
熱中症リスクを軽減するため
外仕事では、強い日差しの下で長時間作業を行うことが多く、熱中症のリスクが非常に高まります。
特に夏場は気温が35度を超える日もあり、体温調節機能が追いつかなくなることで、めまいや吐き気、意識障害といった症状が起こることも。
最悪の場合、命に関わる事態に陥る可能性もあるため、暑さ対策は快適に働くためだけでなく、「健康と安全を守る」ためにも欠かせません。
対策としては、こまめな水分補給や服装の工夫、適切な休憩の取り方などを意識することで、熱中症リスクを大きく下げることが可能です。
屋外作業における暑さの特性
外仕事特有の暑さには、直射日光・照り返し・高湿度・コンクリートの蓄熱といった複数の要因が複雑に絡み合っています。
直射日光にさらされると体感温度が急上昇し、特に頭部や背中など、熱がこもりやすい部位に負担がかかります。
また、アスファルトやコンクリートの上では、地面からの照り返しによってさらに暑さを感じやすくなります。
さらに、湿度が高い日は、汗が蒸発しにくくなることで体温が下がりにくくなり、熱が体内にこもりやすい状態に。
これにより、同じ気温でも屋内より過酷な環境となってしまいがちです。
涼しさを感じる3つのポイント
暑くなってくると、着るものをできるだけ減らしたい、と考えるのが一般的ですよね。
しかし時と場合によって、着る枚数よりも重要なことがあります。
それが、夏の作業現場で働くひとたちが涼しさを感じるための重要な3つのポイントです。
レイヤリング
1つ目のポイントは、レイヤリング(重ね着)です。
「暑いのに重ね着なんて逆効果では?」と感じるかもしれませんが、実は暑さ対策として理にかなった方法なのです。
レイヤリングの目的は、汗を効率よく吸収・発散し、体温の上昇やムレを防ぐこと。
肌に直接触れるインナーには吸汗速乾性の高い素材を選び、その上に通気性の良い作業着を重ねることで、汗がすばやく乾き、気化熱によって涼しさを感じることができます。
また、服と服の間に空気の層をつくることで通気性が向上し、熱気がこもるのを防げるという効果もあります。
ポイントは、厚着ではなく“適切な素材と順番で重ねる”こと。
このレイヤリングは、過酷な環境下で体温調節が求められる登山家の方たちの間では、すでに当たり前となっている考え方なんです。
吸湿性・速乾性
2つ目のポイントは、吸湿性・速乾性です。これは、1つ目のポイントのレイヤリングとも関係します。
夏の暑い時期、より涼しさを感じるためには、
一番下に着る服である肌着(インナー)の吸湿性・速乾性が、非常に重要。
肌に直接触れる肌着は、汗をよく吸って、しかもそれをすぐに発散してくれる、
吸湿性と速乾性に優れた素材であることが理想なんです。
(吸湿性は、吸汗性や吸水性とも呼ばれていることもあります)
通気性
最後3つ目のポイントは、通気性です。
肌着(インナー)で吸収した汗を外に発散させ、効果的に体温を下げるためには、その上に着る服の通気性が重要。
通気性が悪いと、せっかく発散させようとしても熱がこもってしまうからです。
肌着や上着は、その役割に応じた素材選びをすることが大切になってきます。
夏の外仕事・工事現場におすすめの熱中症対策グッズ6選
夏の工事現場には、工事現場ならではの「これが特に便利!」というアイテムがあり、取り入れるだけで作業中の快適さが大幅に向上します。
ここからは、夏の工事現場作業で特におすすめのアイテムを6つ紹介するので、ぜひ導入を検討してみてくださいね。
アイスベスト・フリーザーベスト
アイスベストやフリーザーベストは、メッシュ素材でできたストレッチ性のあるベストに、背中・脇の下部分にポケットがあります。そこに保冷剤を入れることができるようになっている特殊なベスト。
これを着用することで、保冷剤が直接的に体の熱を冷ましてくれる画期的な熱中症対策グッズなんです。
保冷剤の保冷時間に限界はありますが、冷たい保冷剤による冷却効果は抜群。
予備の保冷剤を準備すれば1日使えてしまう、近年人気急上昇中のアイテムです。
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アイトスのアイスベストはメッシュ素材で通気性がよく、ストレッチ性もあるため体にもしっかりフィットするのでおすすめです!
【熱中症対策】夏におすすめのアイスベスト・フリーザーベスト
ファン付き作業着(空調服®・エアークラフト)

空調服®やエアークラフトなどのファン付き作業着は、服についた小型のファンで外気を取り込み、服の中に風を送り込むことで汗を蒸発させ、その気化熱によって身体を涼しくさせるアイテムです。
専用のバッテリーで動作するため、工場現場や外仕事などのエアコンの使用できないような環境でも快適に作業することができます。
空調服®やエアークラフトなどはその効果の大きさからここ数年で一気に市場に広まり、近年は夏本番を前に完売してしまう商品が続出するほどの過熱ぶり。
大量の風で汗を一気に蒸発させてくれるファン付き作業着のインナーには、コンプレッションがおすすめです。
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空調服+コンプレッションという組み合わせは熱中症対策に有効です!猛暑の夏にはぜひともお試しください。涼しく快適で、仕事の効率もアップすること間違いなしです!
【熱中症対策】夏におすすめの空調服®・エアークラフト

身につける作業服やアイテムに限って言えば、空調服は熱中症対策の大本命と言っても過言ではありません。確実に空調服を手に入れるために、今すぐチェックされることを強くおすすめします!!

コンプレッションウェア(コンプレッションインナー)

夏の作業着のインナーとしてぜひ取り入れてほしいのは、吸湿性・速乾性に優れたコンプレッションインナーです。
コンプレッションは汗をかいてもすぐに吸収して乾いてくれます。
このとき、汗の水分が蒸発する気化熱を利用して体を冷やしてくれているんです。

夏の作業着のインナーには、着たときにひんやり感じる接触冷感タイプや、抗菌、消臭の機能があるコンプレッションインナーが特におすすめですよ!
【熱中症対策】夏におすすめのコンプレッションシャツ
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コンプレッションパンツ
コンプレッションには、もちろんパンツタイプもラインナップされています。
定番のロングタイツ以外にも、下着としても使えるハーフパンツタイプや、おしゃれな7分丈タイプなども人気です。
作業ズボンの下にコンプレッションパンツを着用することで、ズボンが張り付く不快感を軽減し、気化熱によって涼しい効果が得られます。
最近ではハーフパンツやショートパンツ丈の作業ズボンとコーデイネートすることも人気ですね。

真夏の工事現場の作業着の下にこそ、インナーとして上下コンプレッションを着用するのがおすすめです。
【熱中症対策】夏におすすめのコンプレッションパンツ
アームカバー

アームカバーは、二の腕から手首までだけに付けられるコンプレッションです。
機能的にはコンプレッションウェアと同じですが、簡単に着脱できるのがポイント。
コンプレッションは体にぴたっとフィットするので、長袖を腕まくりしようとしてもなかなか難しいですよね。
でもアームカバーであれば、半袖と長袖の切り替えがスムーズにできます。

アームカバーは、半袖のポロシャツやTシャツと合わせたり、半袖のコンプレッションと合わせて付けるのが夏のおすすめコーデイネートです!日焼けしたくないけど半袖が着たい…という方はぜひチェックしてみてください。
【熱中症対策】夏におすすめのアームカバー
アームカバーに関する記事はこちら
ヘルメットインナー
ヘルメットインナーは、ヘルメットの中にかぶる薄いインナーキャップのことです。
吸湿性や速乾性に優れたコンプレッション素材のものが主流で、いわば『頭にかぶるコンプレッション』。
ヘルメットの中が汗で蒸れるのを解消してくれるヘルメットインナーは、夏にその効果を発揮してくれます。
お値段も手頃なので、ヘルメットが必須の工事現場では必ず身につけたいアイテムです。

ヘルメットインナーに接触冷感や抗菌・消臭などの機能が付いたものが夏の工事現場におすすめです。
【熱中症対策】夏におすすめのヘルメットインナー
2025年最新!注目の暑さ対策アイテム
年々暑さが厳しくなる日本。
毎年さまざまなメーカーから暑さ対策のアイテムが発表されています。
そこで、ここでは2025年注目の暑さ対策アイテムを厳選してご紹介します。
ウェアラブル冷却デバイスとは?
2025年の夏に注目を集めているのが、「ウェアラブル冷却デバイス」です。
首にかけるポータブル扇風機や、冷却プレート付きのネッククーラーなど、身につけたまま移動や作業ができるのが最大の魅力です。
首掛け扇風機は、両手をふさがずに風を顔や首に送ることができ、外仕事中でも快適さを保ちやすいのが特徴です。
また、冷却プレートタイプの製品は、バッテリー式で冷却効果を持続させられるため、長時間の作業にも向いています。
2025年モデルでは、静音性や軽量化が進んでおり、より使いやすい設計のものが多数登場しています。
外仕事では両手がふさがっている場面も多くありますが、ウェアラブル冷却デバイスを導入すれば、作業中でも涼しさをキープすることが可能です。
手軽に導入できるアイテムの活用法
手軽に始められる暑さ対策として人気なのが、冷却スプレーやひんやりタオルです。
冷却スプレーは衣類や肌に直接吹きかけることで、瞬間的にひんやりとした感覚が得られます。
作業前や休憩中にシュッとひと吹きするだけで、気分もリフレッシュ。
中にはメントール成分を含んだものもあり、爽快感が長続きするタイプもあります。
一方のひんやりタオルは、水に濡らして絞るだけで冷感効果が得られ、首に巻いたり頭にかけたりと応用範囲が広いのが特徴です。
2025年のアイテムでは、持続性や速乾性が改良されたものが増えており、外仕事との相性も抜群です。
まとめ
外仕事における暑さ対策は、熱中症のリスクを軽減し、適切な装備と知識でしっかりと備えることが大切です。
近年はさまざまな暑さ対策アイテムが販売されているので、作業環境や用途に合ったものを選ぶのが夏を乗り切るポイントです。
本記事を参考に、作業着と組み合わせられるアイテムを活用して、作業環境をより快適なものにしましょう!
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この記事を監修してくれたユニフォーム博士
![]() | 岩田 百志(いわた もとし) ユニフォームを販売して20年。 豊富な商品知識から、商品の特徴(素材・デザイン・機能面)を瞬時に判断し、お客様に最適なユニフォームを提供するユニフォームコンシェルジュ。 現在では、後身の指導にアドバイザリーとしても尽力。 |
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これら3つのポイントを意識して作業服や身に付けるアイテムを選ぶと、より効果的に涼しさを感じることができ、熱中症対策に有効です。