医療用スクラブとは?医者や看護師の服装におすすめのユニフォームを紹介

医療現場で見かける白衣とは少し異なる、カラフルでシンプルなデザインの服、それが「医療用スクラブ」です!

近年、多くの医療機関で採用が増えているこのユニフォームは、従来の白衣と比べてどのような特徴があるのでしょうか。また、なぜ医療現場でおすすめされているのでしょうか。

ここでは、医療用スクラブの基本的な情報から選び方のポイントまでを詳しくご紹介します。医療従事者の方はもちろん、病院経営者や医療ユニフォームに興味がある方も、ぜひ最後までご覧ください!


このページの目次
  1. 医療用スクラブとは
  2. スクラブと従来の白衣との違い
  3. スクラブとケーシーの違い
    1. ケーシーとは
    2. ケーシーを着用する場面
  4. 医療現場でスクラブがおすすめの理由
    1. 耐久性が高い
    2. 速乾性がある
    3. デザインがゆったりしている
    4. ファスナーやボタンがないものが多い
    5. 下着が透けにくい
    6. 清潔感を保ちやすい
    7. カラーバリエーションが豊富にある
    8. 目的別に選びやすい
  5. スクラブを選ぶときのポイント
    1. 素材
    2. サイズ
    3. デザイン
    4. 機能性
  6. まとめ

医療用スクラブとは

スクラブのイメージ画像
MIZUNO(ミズノ) スクラブ[男女兼用](31-MZ0700)

医療用スクラブとは、医療現場で使用される比較的新しいタイプのユニフォームです。

その起源は1990年代にさかのぼります。当時、手術室のスタッフが着用していた清潔な服装が、名前の由来となっています。「スクラブ(scrub)」という言葉には「ゴシゴシ洗う」という意味があり、衛生的なイメージと結びついています。


具体的には、スクラブは上下セパレートのシンプルなデザインが特徴的です。一般的に、上着はVネックの半袖シャツタイプで、ポケットが付いているものが一般的です。

下は、ウエストがゴム式またはドローストリング(ヒモで絞れるタイプ)で調整可能なパンツです。

素材は通気性や耐久性に優れた綿やポリエステル、それらの混紡などが使用されています。


カラーバリエーションが豊富なのも、スクラブの大きな特徴です。従来の白衣のイメージを覆す、さまざまな色やパターンのスクラブが存在します。

主に外科医や麻酔科医など、手術や処置を行う医療従事者が着用していますが、病院や診療科ごとに色分けをしたり、個人の好みに合わせて選んだりすることもできます。


スタッフ

親しみやすいと思ってもらいたいからピンク、清潔感や信頼感を感じてほしいからサックス、など、受け取ってほしい印象で色を選ぶのもおすすめです!!

スクラブと従来の白衣との違い

スクラブと白衣のイメージ

医療用スクラブと従来の白衣は、まずデザインの面での違いが挙げられます。

従来の白衣は、襟付きの長袖コートタイプが一般的で、フォーマルな印象。一方、スクラブはVネックの半袖または長袖シャツタイプで、よりカジュアルな印象です。白衣がビジネススーツに例えられるとすれば、スクラブは作業着に近いイメージですね。


素材も異なり、白衣は主に綿100%や綿とポリエステルの混紡のものが多く、きちんとした外観を保つために比較的厚手の生地が使用されています。

対して、スクラブは軽量で通気性の良い素材が使われることが多く、ポリエステルや綿とポリエステルの混紡、さらには機能性繊維(消臭性、抗ウイルス性、撥水性などの特性がある)を用いたものもあります。


機能性の面でも、スクラブは白衣に比べてメリットが多いです。

スクラブは動きやすさを重視して設計されているため、激しい動きを伴う救急医療や手術室などの現場で特に重宝されます。また、着脱が簡単で、汚れた場合にもすぐに取り替えられるという利点もあります。


洗濯のしやすさも、スクラブの大きな特徴です。白衣は形状が複雑で、襟やポケットなどの部分に汚れが溜まりやすいのに対し、スクラブはシンプルな形状のため洗濯が簡単です。

また、スクラブは高温での洗濯や乾燥に耐える素材が使われていることが多く、衛生面でも優れています。

スクラブとケーシーの違い

スクラブとケーシーのイメージ

医療現場で見かけるユニフォームの中に、スクラブとよく似た「ケーシー」があります。一見すると区別がつきにくい両者ですが、以下のような点で違いがあります!

スクラブケーシー
形状トップスとパンツでセット   ワンピース
ポケットの数  多い少ない
デザインシンプルで機能性重視立襟やボタンなどフォーマルな印象

ケーシーとは

ケーシーとは、医療現場で広く使用されているユニフォームの一種です。一般的なケーシーの特徴として、上衣は襟なしの半袖で、前開きのボタンまたはスナップボタンが付いており、下衣はズボンタイプになっています。

ケーシーを着用する場面

ドクターコートのような白衣と比べて丈が短いため、動きやすさを重視した医師・看護師さんなどに人気です。
ケーシー白衣は、歯科医や外科医、作業療法士、そしてもともと床屋の制服として着用されていたこともあって、理容師にも愛用者が多いとされています。

医療現場でスクラブがおすすめの理由

医療現場のイメージ

医療現場でスクラブの採用が増えている背景には、さまざまな利点があります。ここでは、スクラブがおすすめされる主な理由を紹介していきます。

耐久性が高い

医療現場では、ユニフォームに高い耐久性が求められます。

頻繁な着替えや洗濯、消毒などの過酷な条件に耐えられる必要があるからです。


スクラブは、この要求に応える高い耐久性を持っています。主に使用される素材はポリエステルや綿、またはそれらの混紡で、これらの素材は摩耗に強く、形状を保ちやすい点が特徴です。

特にポリエステル混紡の素材は、繰り返しの洗濯や高温での乾燥にも強く、長期間使用しても色褪せしにくいという利点があります。

速乾性がある

スクラブは、ポリエステルや綿などの速乾性の高い素材で作られていることが多く、汗をかいても素早く乾きます。これによりベタつきによる不快感を軽減し、長時間着用していても快適に過ごすことができます。

また速乾性があるということは、雑菌が繁殖しにくい環境を保つことにつながります。特に医療現場では、清潔さが求められるため、速乾性は重要な要素の一つです。

デザインがゆったりしている

ゆったりとしたデザインのため、身体の動きを妨げにくく、作業効率をアップさせます。特に、医療現場では様々な体勢での作業が必要となるため、動きやすさは非常に重要です。

スクラブは体にフィットしすぎないため、締め付け感もなく、リラックスして着用できます。長時間着用してもストレスを感じにくいのもメリットです。

ファスナーやボタンがないものが多い

ファスナーやボタンがないものが多く販売されています。

着用のしやすさを考慮してファスナーやボタンが着いているスクラブもありますが、ファスナーやボタンの部分に布を被せる作りになっていたり、引っかかりにくいスナップボタンが使われていたりなどの工夫をしているものが多く、患者さんや医療機器などに引っかかる心配が少なく、安全に作業を行うことができます。

下着が透けにくい

スクラブは厚手の生地や不透明な素材を使用しているため、下着が透けにくいです。

「透けてないかな…」という不安がないからこそ、安心してお仕事にしっかり集中することが出来ます。

清潔感を保ちやすい

スクラブは、汚れが落ちやすい素材で作られていることが多く、洗濯も簡単です。先述の通り、清潔な状態を保ちやすいことは、医療現場において非常に重要なポイントです。患者さんへの安心感を与えることにもつながります。

カラーバリエーションが豊富にある

豊富なカラーバリエーションの中から、自分の好きな色やチームカラーを選ぶことができます。服装によって時には気分転換になることもあるでしょう。仲間との一体感がより強調され、仕事へのモチベーションアップにもつながるかもしれませんね。

目的別に選びやすい

防汚性、ストレッチ性、帯電防止など、様々な機能を持ったスクラブが販売されています。デザインもVネック、ヘンリーネック、スクラブセットなど幅広いです。

そのため、手術着や診察着など、目的に合わせたスクラブを選べる点もメリットです。

スクラブを選ぶときのポイント

スクラブのイメージ

スクラブの凄さが分かったところで、次はスクラブ選びのポイントをご紹介していきます!

素材

スクラブの素材は、着心地や耐久性、機能性に大きく影響します。

一般的に使用される素材としては、以下のものが挙げられます。

綿吸湿性、通気性に優れ、肌触りが柔らかく、着心地がいい
ポリエステル速乾性、耐久性に優れ、シワになりにくい
ポリエステル混紡綿とポリエステルを混合した素材で、両方の素材のメリットを兼ね備えている

【選ぶ際のポイント】

  • 季節に合わせて夏場は涼しい素材、冬場は暖かい素材を選ぶと快適に過ごせる
  • 頻繁に洗濯する場合は、耐久性のある素材を選ぶ
  • 肌が敏感な方は、綿素材や肌に優しい素材を選ぶと良い

綿とポリエステルについて解説しているお役立ち記事はこちら

サイズ

スクラブは、動きやすさを考慮してややゆったりとしたサイズ感を選ぶのが一般的です。しかし、サイズが大きすぎると作業の邪魔になる場合もあります。


【選ぶ際のポイント】

  • 肩幅、バスト、ウエストなどのヌードサイズを測り、メーカーのサイズ表と比較する
  • 動きやすいように、ヌードサイズに数センチのゆとりを持たせる
  • 実際に試着してサイズ感を確認する

サイズの図り方についてまとめたお役立ち記事はこちら

デザイン

スクラブのデザインは、機能性だけでなく、働く際のモチベーションにも影響を与えるでしょう。


【選ぶ際のポイント】

  • 与えたい印象に合わせて、Vネックやヘンリーネックなど首元のデザインを選ぶ
  • 病院やチームのカラーに合わせて選ぶ
  • ペンやハサミなど、必要なものを収納できるポケットの有無や位置を確認する

機能性

スクラブには、様々な機能が備わっています。具体的には、ストレッチ性や防汚性、帯電防止、撥水性などが挙げられます。


【選ぶ際のポイント】

  • 自分の仕事内容に合わせて、必要な機能を選ぶ
  • 夏場は通気性の良い素材、冬場は保温性の高い素材を選ぶ

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まとめ

今回はスクラブについて解説してきました。

医療用スクラブは1990年代に登場した新しいタイプの医療ユニフォームです。上下セパレートで、Vネックシャツと調整可能なパンツが特徴です。従来の白衣と比べ、カジュアルで動きやすく、洗濯も簡単です。素材は通気性や耐久性に優れ、カラーバリエーションも豊富です。スクラブは耐久性、速乾性、ゆったりしたデザインなど多くの利点があり、医療現場での採用が増えています。選ぶ際は素材、サイズ、デザイン、機能性を考慮することが重要です。


クリニックユニフォームでは、様々なスクラブを取り扱っています。本記事で紹介した選ぶポイントをもとに、ぜひ理想のスクラブを探してみてください。



この記事を監修してくれたユニフォーム博士

岩田百志 岩田 百志(いわた もとし)
ユニフォームを販売して20年。
豊富な商品知識から、商品の特徴(素材・デザイン・機能面)を瞬時に判断し、お客様に最適なユニフォームを提供するユニフォームコンシェルジュ。

現在では、後身の指導にアドバイザリーとしても尽力。
経験から得たユニフォームの基礎知識や販売のノウハウに至るまで、ユニフォームの魅力を日々伝えている。

written by ユニネク制作チーム