ユニフォームネクスト株式会社には、服の生地に詳しいプロがいます。
それが在庫管理チームの北潟(きたがた)さんです。
北潟さんはアパレルブランド、生地メーカーなどでの勤務経験があり、弊社でも生地に詳しいプロとして社内勉強会をおこなうほどの人です。
弊社スタッフが、商品に関してわからないことがありメーカーさんへ質問したときも「北潟さんに聞いた方が早いかも…」と回答されたこともあるくらい、あらゆる生地に詳しい北潟さん。
今回は綿とポリエステルの違いやそれぞれの長所・短所について詳しく聞いてみました。
ポリエステル100%のメリット⭕
水に濡れても乾きやすい
ポリエステエルの原材料は石油なので、生地の糸の中に水が入りにくいという特徴があります。
洗濯しやすい
ポリエステル100%素材には4つの洗濯しやすいポイントがあります。それが
- シワになりにくい
- 縮みにくい
- 形崩れしにくい
- 色落ちや色移りしにくい
特に注目なのが「色落ちや色移りがしにくい」という点。
ポリエステル素材は130℃の釜で色を染めるそうなのですが、その染まったものを脱色させるには同じ130℃で脱色させる必要があります。
ということは、家庭用の洗濯機で130℃で洗うことはまずなく、色落ちしない、と言えるのです。
ポリエステル100%のデメリット❌
火に弱い
先述にあるとおり、原材料が石油のため火花が飛んでくると生地に穴が空いてしまいます。
アイロンをかける際も洗濯表示のタグを確認し、あて布をして低温で使うなど条件に合う方法を取らないと、生地の糸が溶けてテカテカになってしまう恐れがあるのです。
静電気が起こりやすい
マイナスの電気が帯電しやすいポリエステル。ナイロンやウールといったプラスの電気が発生しやすい素材と重ね着すると、静電気が発生しやすくなってしまいます。
夏は重ね着が少なく、湿度も高いため発生の頻度は高くないと思いますが、冬は乾燥することで静電気がより発生しやすくなってしまいます。
綿100%のメリット⭕
火に強い
溶接工場など火花が散る現場でも生地に穴が空きにくいと言えます。
またポリエステル素材に比べて熱にも強いため、アイロンをかけやすいのもメリットですね。
静電気が起こりにくい
綿は帯電しにくく静電気が起こりにくい素材で、髪の毛やホコリなどが付着しにくくなっています。
冬場の静電気によるパチパチが嫌な人は、綿素材を重ね着に取り入れることで静電気の発生を抑えることができるのです。
肌触りがいい
ポリエステルはどうしてもチクチクするような感覚があるので、インナーに別の素材のものを着ないと着れない、という方もいらっしゃいますよね。
綿素材は肌に触れるとなめらかで、いい風合いを感じられますし、敏感肌の方でも安心して着られる素材になっています。
余談ですが、布団カバーも綿素材だとやわらかくて肌触りが良く快適ですよね。
綿100%のデメリット❌
- 乾きづらい
- 色落ち・色移りしやすい
- 縮みやすい
綿は吸水率が高いことから、洗濯後はどうしても乾きにくくなってしまいます。
他にも洗濯した際のデメリットが多く見受けられ、お手入れの際は気をつける必要がある素材です。
生地のプロに質問してみよう!
汗かきの人はポリエステルと綿、どっちがいい?
それはずばりポリエステル100%です。
スポーツウェアに使われているのはポリエステル素材が多いですし、綿100%だと生地が水分を吸い、服が重たくなってしまうため、動きづらかったり不快感が出てくると思われます。
ただ一つ気をつける必要があるのは、ポリエステル100%の素材は汗のニオイや汚れが取れにくい素材でもあるのです。
そのため汗をかきやすいワキ部分などは部分洗いをしたり、1時間ほど洗剤をつけた40℃くらいのぬるま湯でつけ洗いをしてから洗濯機で洗うと、ニオイが取れやすくなります。
ポリエステルと綿のいいとこ取りをした素材ってないの?
あります。それがT/C素材と呼ばれている素材です。
T/C素材とは、ポリエステルと綿の混紡素材のことを指します。
Tはポリエステルの略、Cは綿=コットンの略となっているんです。
Tがなぜポリエステルなのかと言うと、ポリエステルは昔テトロン(tetoron)と呼ばれており、それが所以で現在でもポリエステルと綿の混紡素材はT/C素材と呼ばれています。
T/C素材は万能
ポリエステルのシワになりにくさ、乾きやすさと、綿のぬくもりと通気性・吸水性の良さ、静電気の起こりにくさなど、すべてをいいとこ取りした万能な生地です。
それなら、世の中の服は全部T/Cでいいのでは?という声が聞こえてきそうですが…。
とはいえ吸水性が綿100%に比べると劣る、ポリエステル100%ほど乾きやすいわけではない、など敵わないところも多くあります。
綿100%、ポリエステル100%、T/C素材、どれが一番いいの?
T/C素材は万能といいましたが、やはりその服を使う環境によって適しているものは変わります。
火花が散ることが想定される現場であれば、ポリエステル混紡のT/C素材よりも綿100%素材が適していたり、汗をかく夏の現場作業のインナーなら、洗濯後も乾きやすいポリエステル100%の方が適していたり、適材適所で素材を選んでいくのが大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ポリエステルと綿、改めてメリットとデメリットをまとめるとこのようになります。
ポリエステル100%のメリットとデメリット
⭕メリット
・水に濡れても乾きやすい
・シワになりにくく縮みにくいため洗濯がしやすくお手入れ簡単
❌デメリット
・火に弱く、火花で穴が空いてしまう
・静電気が起こりやすい
綿100%のメリットとデメリット
⭕メリット
・火に強く火花が飛び散る現場にも適している
・静電気が起こりにくい
・肌触りがよく敏感肌の人にもOK
❌デメリット
・吸水率が良いため洗濯後など一度濡れると乾きにくい
・色落ちや色移りしやすい
・洗濯後に縮みやすい
ユニフォーム通販で素材選びで困ったときは
綿とポリエステルの長所・短所、T/C素材について知っていただけたかと思いますが、自分の職場に適したユニフォームの素材がわからないときは、ぜひショップのスタッフにお問い合わせください。
ユニフォームネクストはお客様の立場にたった対応を常に心がけ、親切・丁寧な接客をしておりますのでお気軽にお声がけくださいませ。
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この記事を監修してくれた生地のプロ
北潟 芳樹(きたがた よしき) 東京でアパレルブランドに勤務後、福井県の生地製造メーカーへ転職。その後、2020年にユニフォームネクスト株式会社へ入社。 服飾用語や生地全般の情報に精通しており、現在はユニフォームネクストYouTubeチャンネルで「生地のプロに聞く」シリーズで生地の知識を配信中。 |