空調服とバッテリーを長期保管する際に気をつけること

夏用の作業服の後片付けは、衣替えのまえにしっかりとやっておくことが大切です。
特に空調服は、高価なバッテリーやファンユニットがあるため、正しく後片付けして保管をしておかないと、次のシーズンでいざ使おう!となった際に使い物にならない…なんてことにもなりかねません。

空調服の正しい後片付けと保管方法を知って、大切な空調服を少しでも長く正常に使えるようにしましょう!


このページの目次
  1. 空調服(作業服)の後片付け・保管の方法
  2. 空調服(バッテリー)の後片付け・保管の方法
    1. バッテリーは保管前に充電した方がいい?
    2. バッテリーの寿命
    3. バッテリーを保管する場所の温度
  3. 空調服の保管方法についての動画

空調服(作業服)の後片付け・保管の方法

空調服の保管方法

まずは、バッテリーやファンを取り外した空調服(作業服)の後片付け、保管の方法です。
空調服は基本的に普通の作業服と同じお手入れ方法で問題ありませんが、長期間保管する前は、より入念に洗うのがおすすめです。

おすすめの洗濯方法

洗濯する際は、素材によって洗濯方法や注意事項が異なることもあるため、服についている洗濯表示に従って洗うようにしましょう。
そして家庭用洗濯機では普段よりも、下記のようなしっかり洗う設定にすることがおすすめです。

  • すすぎ回数を多くする
  • 洗濯時間を長めにする

夏場に活躍する空調服には、目には見えない汗の汚れが遷移の内部に付着しているため、このまま保管すると、酸化し黄ばみの原因にもなります。
そのため、いつもよりしっかり洗って保管するのがおすすめです。

ハンガーに吊るして保管する

長時間たたんでおくことで、たたみジワが付いてしまいます。
暑くなってすぐに使いたい場合は、ハンガーに吊るしておく方がよいでしょう。
また、ポリエステル素材の空調服の場合、日光に弱く、色が変わってしまう原因にもなるため、日の当たらない場所での保管がおすすめです。

場所の都合上、どうしてもたたんで保存する場合は、ファン取付口が折れたり歪んだりしないように気をつけましょう。

防虫剤と一緒に保管する

いざ着ようと思ったときに、虫食いの穴があると残念な気持ちになってしまいます。
ポリエステル100%の空調服に虫食いの心配はありませんが、綿素材の空調服をお使いの方は、防虫剤と一緒に保管してください。


ここがポイント
・洗濯機をいつもよりしっかり洗う設定にして洗濯する
・洗濯表示に従って洗濯する
・ハンガーに吊るして保管がおすすめ
・たたむ場合はファン取付口に注意して保管する
・綿素材を含む空調服は防虫剤と一緒に保管する

空調服(バッテリー)の後片付け・保管の方法

空調服バッテリーの保管方法


次に、空調服のバッテリーの後片付け・保管方法についてご紹介します。
空調服を少しでも長く正常に使えるようにするためには、長期間使わない際にバッテリーを正しく保管することがとても重要です。
間違った方法で保管し続けてしまうと、電池の容量が低下してしまったり、内部抵抗が上昇して電池の劣化がすすみ、バッテリー寿命が縮まってしまったりします。

バッテリーは保管前に充電した方がいい?

空調服のバッテリーを長期保管する際に、まず気をつけていただきたいのがバッテリーの残量です。
空調服のバッテリーに使われるリチウムイオン電池を始めとした電池には、自己放電という、何もしなくても電気を消費してしまう現象が起こります。
近年、リチウムイオン電池は性能も上がってきており、自己放電量が抑えられている傾向にありますが、それでも1年で約10%程度は自己放電するといわれているのです。
そのため、バッテリー残量がゼロの完全放電状態で長期間使用せず保管している場合、電池残量が0%を切ってしまう過放電状態となります。
過放電状態になると、電池容量の急激な低下や内部抵抗の大幅な上昇によって電池の劣化が進んでしまうのです。
このようなことから、空調服のバッテリーを長期間保管する際は、完全放電状態(電池残量0%)にならないように注意しましょう。

また、バッテリーの充電を満タンにしたフル充電(満充電)の状態では、逆に電圧が高い状態でずっと保たれてしまうため、電池材料に負担がかかりすぎてしまいます。
この状態も電池の劣化がすすんでしまうことにつながってしまうのです。
保管する際の充電量の理想は、30~50%程度のバッテリー残量。
これなら劣化も起きにくく、過放電になるリスクも避けられます。

空調服のバッテリーを長期保管する際には、定期的にバッテリーの残量を確認して、充電してあげるのが良いでしょう。バッテリーの性能にもよりますが、3ヶ月~半年に1回程度の充電で、過放電は避けられるはずです。

バッテリーの寿命

空調服®などファン付き作業着で使われているリチウムイオンバッテリー(リチウムイオン電池)は、充電式で何度も使えることが魅力ですが永遠に使い続けることはできません。
一般的に、リチウムイオン電池は500回程度の充電・放電(使用)を繰り返すと寿命に近づくとされています。
バッテリーの消費が徐々に早くなってきた等の症状は、寿命が近づいている可能性があるのでご注意ください。

バッテリーを保管する場所の温度

一般的なリチウムイオン電池の劣化は化学反応によって起こります。
化学反応は低温であればあるほど反応にしくくなるため、それだけバッテリ-の劣化も抑えられるということです。ただし、最近のリチウムイオン電池は性能が上がっており、自己放電量も少なく常温でもそこまで劣化がすすむ訳ではありません。無理して低温で保管することはしなくても大丈夫でしょう。

冷蔵庫で保管すると良い、というような話もよく聞きますが、開け閉めすることが多い冷蔵庫は、その際の温度差によって、電池が結露し錆びの原因になったり、水分によってショートにつながるリスクがあるのでおすすめしません。


ここがポイント
・30~50%程度のバッテリー残量で保管する
・常温保管でOK

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空調服の保管方法についての動画はこちら

さいごに

空調服は、服よりもバッテリーの方が高価な場合がほとんどです。
バッテリーの劣化がすすむと、それだけ早く大きな出費につながってしまいます。
ポイントは保管するときの電池残量です。
バッテリーを正しく保管して、長く空調服を愛用してくださいね!

■作業服専門店ワークユニフォーム


written by ユニネク制作チーム


この記事を監修してくれたユニフォーム博士

岩田百志 岩田 百志(いわた もとし)
ユニフォームを販売して20年。
豊富な商品知識から、商品の特徴(素材・デザイン・機能面)を瞬時に判断し、お客様に最適なユニフォームを提供するユニフォームコンシェルジュ。現在では、後身の指導にアドバイザリーとしても尽力。
経験から得たユニフォームの基礎知識や販売のノウハウに至るまで、ユニフォームの魅力を日々伝えている。