
乾燥する季節に誰もが悩まされる静電気。
今回は、その静電気のメカニズムから、衣類でできる具体的な対策までを詳しく解説します。
特に衣服の素材の組み合わせが静電気発生に大きく影響することをご存知でしょうか?
このメカニズムを理解し、衣類を工夫することで、不快な静電気を大幅に軽減することができます。
静電気発生のメカニズム
衣服の素材の組み合わせが静電気に影響することがわかっています。
作業服でよく使われる素材としては、
- ポリエステル:マイナスに帯電しやすい
- ナイロン:プラスに帯電しやすい
という特徴があります。
このような異なる素材の重ね着をすることで、静電気が発生しやすくなります。
衣服による静電気は、摩擦によって帯電し、ドアノブなどに触れた際に放電します。
パチっと大きく音がなるときもある日常生活の静電気ですが、その静電気は約3,000V(ボルト)とも言われています。
衣類による静電気対策3つのポイント
冬の重ね着で静電気を発生させないため、衣類による静電気対策のポイントをお伝えします。
同じ素材同士を身に付ける

前述の静電気発生のメカニズムにもあるように、プラスに帯電しやすい素材と、マイナスに帯電しやすい素材があります。
重ね着する際は、プラスに帯電するもの・もしくはマイナスに帯電するもの、どちらかの組み合わせにすることで、静電気の発生を抑えることができます。
例えば、ポリエステルのインナーには、同じポリエステルのアウターを合わせるとよいでしょう。
綿素材を取り入れる

綿素材は静電気を抑える効果があります。
どうしても異なる素材で重ね着になってしまう…という場合でも、綿素材を取り入れることで静電気の発生を軽減することができます。
T/C素材(ポリエステルと綿の混紡素材)は、静電気を抑えることに効果的です。
綿素材に関する記事はこちら
柔軟剤を使う

洗濯の際に柔軟剤を使うことも、静電気対策に有効と言われています。
その理由は、生地の表面に膜を張り、摩擦を軽減することができるからです。
柔軟剤自体にも静電気を放電する効果があります。
そのほかの静電気対策

衣類での静電気対策の他にも、ドアノブなど静電気を放電しやすいものに触る前に、デスクや壁など他のものに触れて放電するなど、様々な静電気対策があります。
制服に関しては、静電気防止機能がある作業服などを利用する方法も。
JIS規格T8118をクリアした製品制電の作業着や、商品の説明に「制電」や「帯電防止」といった機能が書かれているものを選ぶと、静電気が発生しにくくなります。
ユニチカトレーディングの「メガーナ」素材は、特に静電気対策に特化しています。
▶静電気対策ができる帯電防止機能の作業服はこちら
メガーナ素材について

メガーナは、カーボンを練り込み、高い導電性で静電気を逃がす仕組みになっています。
耐久性も高く、洗濯してもその機能は劣化しにくいです。
人気の作業着メーカー・バートルの作業服でよく使用されています。
静電気対策に関する記事はこちら
まとめ
静電気対策は、衣類の素材選びと重ね着の仕方に注意することで軽減することができます。
柔軟剤を使ったり、静電気防止作業服を選ぶことも効果的です。
静電気によるストレスを減らし、快適な冬を過ごしましょう!
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この記事を監修してくれた生地のプロ
![]() | 北潟 芳樹(きたがた よしき) 東京でアパレルブランドに勤務後、福井県の生地製造メーカーへ転職。その後、2020年にユニフォームネクスト株式会社へ入社。 服飾用語や生地全般の情報に精通しており、現在はユニフォームネクストYouTubeチャンネルで「生地のプロに聞く」シリーズで生地の知識を配信中。 |
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