作業着に関わらず、スポーツウェアやアウトドアウェアなどいろんな衣服に付いている撥水機能。
そんな撥水加工のある衣服、普通に洗濯機で洗っていませんか?
お手入れ方法を間違えると、撥水機能が長持ちしないなどの問題が起こります。
今回は、ユニフォームネクスト株式会社における生地のプロ・北潟先生に、撥水機能がある衣服の洗濯方法について教えてもらいました!
洗濯表示を確認しよう
衣類を洗濯する前に、まずは洗濯タグを確認しましょう。
家庭での洗濯禁止マークが付いている場合は、残念ですがクリーニング店へ持っていってください。
撥水機能の仕組み
撥水機能(撥水加工)の仕組みは、生地そのものに撥水コーティングをすることで成り立っています。
この撥水コーティングは、洗濯を何十回・何百回と繰り返すうちに摩擦によって薄れていってしまうのです。
それなら「洗濯をしないほうがいいのでは?」と感じてしまいますが、衣服は使用するうちに見えない汚れがついてしまいます。
こうした見えない汚れも、撥水機能を低下させる原因の一つになってしまうんです。
また、洗濯をせずに置いておくとニオイ菌が繁殖し、洗濯しても取れないニオイが残ってしまうので気をつけましょう。
撥水と防水の違いについて詳しい説明をしている記事はこちら
撥水機能がある衣服を洗濯する際の注意点
撥水専用の洗濯洗剤を使う
撥水性を守りながら汚れを取り除き、素材本来の質感を保ちながら優しく洗い上げてくれる専用洗剤があります。
ドラッグストアやスーパーなどではあまり取り扱っていない洗剤のようなので、用意するにはネット通販を使う必要がありそうです。
もし手に入らない場合は、一般的な中性洗剤でも問題ありません。
柔軟剤は使わない
洗濯する際に柔軟剤を使う人は多いと思いますが、実は柔軟剤にもコーティング作用があるのです。
撥水機能は生地の上に撥水コーティングされているため、そのさらに上から柔軟剤でコーティングすると、撥水機能がどんどん薄れてしまいます。
そのため、撥水機能がある作業着などを洗濯する際は、柔軟剤の使用を避けてください。
洗濯機を使うときの設定
- 洗濯コースは「ドライコース」を選ぶ
通常の洗濯よりも優しく洗ってくれます。 - すすぎをきちんとおこなう
生地の表面についている洗剤をしっかり落とし切るため、すすぎはきちんとおこなえる設定にしましょう。 - 脱水は短めに設定する
ポリエステル100%のものなら10秒くらいでいいかもしれないそうです。
脱水すればするほど摩擦が起きて撥水コーティングが剥がれてしまうため、極力脱水の時間は短めにしてください。
洗濯後の干し方
洗濯後は、なるべく日陰で干してください。
撥水コーティングそのものには関係ないのですが、綿素材などは太陽光に当たると色落ちしやすいため、日陰で干すことがおすすめです。
撥水機能が復活する方法はある?
撥水効果を復活させる方法はあります!
その方法は「熱を加えること」です。
撥水機能の復活方法
- 洗濯後、乾燥機で15分~20分ほど乾燥させる
- 洗濯して乾いたあと、あて布をしてアイロンをかける
※アイロンをかける際は、洗濯表示をよく確認してください - ドライヤーの風(温風)を当てる
もっと撥水機能を復活させたい、という方はお近くのクリーニング店へ依頼する方法もあります。
まとめ
作業着はもちろん、ジャンパーやブルゾン、エプロンなどの業務用ユニフォームに撥水加工が施されていることは多いですよね。少しでも撥水機能が持続するよう、この記事を参考にしていただけたら嬉しく思います。
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この記事を監修してくれた生地のプロ
北潟 芳樹(きたがた よしき) 東京でアパレルブランドに勤務後、福井県の生地製造メーカーへ転職。その後、2020年にユニフォームネクスト株式会社へ入社。 服飾用語や生地全般の情報に精通しており、現在はユニフォームネクストYouTubeチャンネルで「生地のプロに聞く」シリーズで生地の知識を配信中。 |