なぜ仕事にはユニフォームが必要なのか。ユニフォームを着るとどんな効果があるのか。このコーナーでは、ユニフォームにこだわりのある仕事人にスポットを当て、ユニフォームに対する想い、お気に入りのポイントや失敗談、そして仕事のよもやま話まで赤裸々に語っていただきます。
vol.13 福井県民生活協同組合(県民せいきょう)様
第13回目は、健康長寿で安全・安心な福井づくりのために、地域との協同の力で高い志を持って挑戦し続ける「福井県民生活協同組合(県民せいきょう)」様です。2018年で創立40周年を迎えた県民せいきょう様は、ファッションショー形式で新ユニフォームを決めるという取り組みをおこないました。なぜファッションショー形式を取り入れたのか、実際に取り入れてみてどうだったのか、新しいユニフォームの着心地など、詳しくお話をお伺いしてまいりました。
福井県民生活協同組合(県民せいきょう)様の事業内容をご紹介
今回一新したユニフォームは宅配事業のユニフォームです。「コープの宅配」は、各種カタログ(食品中心)からご注文いただいた商品を週に1回、ご自宅・ご指定の場所へお届けしています。
その他にも、コープ商品や地場・産直商品を中心とした品ぞろえのお店「ハーツ」や普段の買い物や食事作りにお困りの方のために、移動店舗、食事宅配サービス、買い物代行などで食品やお弁当をお届けする「生活支援」などさまざまな事業・サービス・取り組みをおこなっています。⇒詳しくはこちら
▼人物紹介
福井県民生活協同組合 事業ネットワーク事業部 次長 近藤 様 1991年入協。「食と福祉と助け合い」の事業として、とくに宅配事業・生活支援事業・共済事業を通して組合員や地域の皆さんへ暮らしのお役立ちができるよう日々奮闘している。それを実現するために全体運営、サービス企画の立案や事業のネットワークを通してそれぞれ組合員にあったサービスの提案をおこなっている。 以下:近藤次長: |
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福井県民生活協同組合 事業ネットワーク事業部 教育支援 木原 様 2014年入協。配送担当者への教育をおこなっている。主な仕事は、新人配送担当者への実務研修、添乗による安全運転指導など。組合員のことを第一に考えられる配送担当者を増やし、宅配事業全体としての配送品質向上を目指している。 以下:木原様: |
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福井県民生活協同組合 丹南支所 配送担当 小玉 様 2014年入協。丹南エリアの組合員宅へ商品をお届けしている。主な仕事は、商品のお届けを通じて組合員に寄り添った商品提案をおこない、組合員の暮らしを豊かにすること。商品のお届けだけでなく、日々のコミュニケーションを大切にすることで生協の窓口として信頼してもらえる配送担当者を目指している。 以下:小玉様: |
(H30.9現在)
CONTENTS 1分でわかるユニフォーム×仕事人
└40周年という節目のタイミングでユニフォームを変更し、組合のイメージも一新させました。
└ポケットや防水など機能面にもこだわったことで、社員の仕事へのモチベーションがアップ。
└ファッションショーならではの苦労と努力、そして得られた効果について振り返ります。
└これからの県民せいきょうが目指す福井県のよりよい暮らしについて。
周年事業を利用してユニフォームと組合イメージを一新!
―ユニフォームを変えようと思ったキッカケはなんですか?
近藤次長:もともと「ズボンがダサい」など制服に対する不満の声があったこともありますが、今年で生協創立40周年という節目の年だったので、これを期に生協のイメージも一新しようと制服を変えることになりました。
―ちなみに制服を変えるのは何年ぶりなのでしょうか?
近藤次長:ポロシャツなんかですと、2~3年に一度ぐらいは変えたりしていたんですけど、
ズボンなんかは、かれこれ10年ぐらいは変えていなかったと思います。
ジャンパーも7~8年前ぐらいから、ずっと同じジャンパーでした。
―そうだったのですね!今までのユニフォームはどのように決められていたのでしょうか?
近藤次長:今までは現場の人が決めていたわけではなく、本部の宅配事業の部署ではない総務が決めていました。だから宅配事業の部署でも、前の制服まではノータッチだったんです。
総務が決めた制服は、コスト意識もあり、型にはまったものが多かったので、やっぱり現場からは不満の声が多かったですね。
そこで40周年という期に、コスト意識も少し横に置いて、みんなで選んだものを制服にしたいという思いで、木原を中心にファッションショーをすることになりました。
―具体的にどんな不満が多かったのでしょうか?
近藤次長:ひとつ前のポロシャツなんかは、ポケットがないんですよ。
現場では商売道具であるボールペンなどをポケットに差すことが多いので、
ポケットがないポロシャツのときは、みんな名札の紐の部分に付けたりしていましたね。
だから要望として、必ずポケットを付けて欲しいという声が多かったですね。
担当者からのひとこと
営業グループ 佐々木
社員の満足度とモチベーションを上げた「新ユニフォーム」
―新しいユニフォームを見た社員や組合員様の反応はいかがでしたか?
近藤次長:見た目については、新しいユニフォームを着ていない本部の職員も「すごくいい」と言ってくれてますね。
木原様:そうですね。「かわいい」って言ってくれてますね。
小玉様:組合員様からは「色がいいね!私服みたい!」と声をかけていただきました。
―見た目に関しては好評価だったのですね。よかったです!その他の面はいかがでしたか?
近藤次長:ポロシャツの生地が以前の生地よりもしっかりしていたので、暑いという方はいました。今年はとくに暑かったので仕方ないかなと思いますが・・・。
ポロシャツ以外だと、ズボンが軽くてすごくいいと、ズボンへの評価がすごく高かったです。
木原様:見た目では伸びないと思ったけど、思ったよりも伸びて動きやすかったという声もありましたね。
近藤次長:ただ、配達をしていると、ズボンの膝とか腰辺りが擦れてしまうことが多いので、生地がほつれてくるという弱点はありますね。
それは1年に1枚は交換で支給しなければならないのかなとは思いました。
―そうなんですね。仕事での動きが激しいとどうしても劣化が進んでしまいますよね・・・
―実際に着用されている小玉様へ質問です。新ユニフォームを着てみていかがでしたか?
小玉様:初めこそ慣れませんでしたが、だんだんと着てなじみ、動きやすさに今は大満足です!
―今回採用になったポロシャツの感想を聞かせてください。
小玉様:仕事上、すぐ取り出せるように胸ポケットにメモ帳を入れることが多いのですが、以前のポロシャツはポケットがなくて不便でした。今回のポロシャツはポケット付きで、改善されていたので嬉しかったです。
―パンツの穿き心地はいかがでしょうか?
小玉様:とても動きやすいです。細身のシルエットで、組合員さんから「小玉さんスリムねぇ」と言われるようになったので嬉しいです(笑)。
耐久性の面で、洗濯のしすぎなのか、毛玉ができ始めているのが気になるくらいですね。
―ジャケットは今回防水のものを採用していただきましたが、どうでしょうか?
小玉様:今までのユニフォームは雨を吸収していたので重たく動きづらかったのですが、
今回のユニフォームは水を弾くのでいつまでも軽いです。梅雨の時期にはとても助かりました。あとはカラーが爽やかなところも気に入っています。
―今回のユニフォームの満足度は何点ぐらいでしょうか?
小玉様:私個人の意見では、120点です!
近藤次長:全員が満足とはいかないですけど、8割の人は満足していますね。新しいユニフォームを着た上で、一部の人から要望をもらっている部分があるので、そこは次の改善に繋げたいところですね。
木原様:そうですね、まだまだ改善点はありますね。
近藤次長:あと、まだ冬用のズボンを穿いていないので、それがどうなのかは気になる点ですね。
―そうなのですね。8割はご満足いただけているようで安心いたしました^^
採用商品はこちら
現場の声を反映させる新たな取り組み「ファッションショー」の舞台裏
―ファッションショーのためのユニフォーム選定はどのようにおこなわれたのでしょうか?
木原様:最初にポケット付きのポロシャツをユニフォームネクストさんに持ってきていただいて、選定していた私ともう一人のスタッフで、持ってきていただいたポロシャツの中から「これはないよね」というものを除外して選んでいきました。
その後は本部に確認して、いくつか候補にあがったものをファッションショーに取り入れたような形ですね。ポロシャツの選定基準としては、ポケットのあるもので予算を大幅に超えないものを選んでいたと思います。
―ファッションショーを準備する上で大変だったことは何ですか?
木原様:展示や当日の進行に苦労しました。
進行に関しては、一字一句書き出して、夜なべして練習を頑張りました(笑)。
でもユニフォームネクストさんに、展示用のポップや商品説明の資料などを全部用意していただいていたので、本当に助かりました。
―その他に、弊社スタッフがお役に立てたことはありますか?
木原様:やっぱりファッションショーの当日に来ていただいて、
投票場所で商品の説明をしてくださったのが本当に助かりました。ありがたかったです。
専門的な分野の質問にも、すぐに回答が返ってくる状態だったので、
投票する人にとってもわかりやすくて良かったかなと思います。
―お役に立てたようで嬉しいです!
木原様:それから、ポロシャツに入れるロゴに関しても、ポロシャツの色とプリントの色をいろいろ組み合わせてパターン出しなどをしていただいたので助かりました。
あれも結構どの色の組み合わせがいいのかなど、悩みましたからね。
―そうですよね。提案する側としても、イメージ画像や資料などは重要だと感じています。
―小玉様はモデルを務めたうえで、投票もされたかと思いますが、どのような点に注目して投票しましたか?
小玉様:「動きやすいかどうか」という機能面と、見た目の爽やかさを重視して、自分自身が着たいなと思うユニフォームに投票をしました。
―投票結果はどのようになったのでしょうか。
木原様:ある程度、票が分かれました。選びやすかったのかなと思います。
ポロシャツに関しては、着やすい無難な色に票が集まっていましたね。最終的には、今のポロシャツの紺色とターコイズの二択になって、どちらがいいか再度募って、紺色に決定しました。
パンツとジャンパーに関しては、ダントツで票が多かったものに決まりましたね。
―今後ファッションショーをされる方へのアドバイスはありますか?
木原様:そうですね~。もう少し絞り込んでからやってもよかったのかなとは思いましたね。
ファッションショーが終わってからも、投票数に差のないものは何度か投票を重ねたので、もっと最初の段階で絞り込んだほうが、すんなり決められたかもしれないなと思いました。
近藤次長:今回6種類ぐらいから選んでもらった結果そうなってしまったので、最初から3種類ぐらいにしておくと決めやすいかもしれないですね。はじめてだったので、いろいろな種類があったほうが楽しいかなと思って、6種類にした経緯はあったんですが。
木原様:そうですね。ショーとしては、カラフルでよかったんですけど、開票後どれにするか決めるのは大変でした(笑)。
その他のアドバイスは、楽しんで盛り上げることですかね。進行は大事だと思います。
―ファッションショーをやってみて良かったことは何でしょうか?
木原様:やっぱり自分たちで選んだ制服は、自分の意見が反映されているので、納得して着ていただけているところですかね。結構気に入ってもらえていますし、自分たちが選んだという意識があるのとないのとでは違うと思います。
それから制服によって配達のモチベーションも変わってくるものなんだなと思いました。
私も以前現場にいたのでわかるのですが、今までは防水ではないジャンパーが支給されていたので、雨の日の配達なんかは「なんでこんなにベタベタになって仕事をしなくちゃならないんだ」と感じていた人がたくさんいたと思います。
そうなると、どうしても”大事にされてない感”というのが出てきてしまうんですよね。
ただ今回こうやって本部も現場も交えてみんなで決めたことで、現場の人にも「自分たちのことを考えてくれてるんだな」と思ってもらえたらいいなと思っています。
近藤次長:そうですね。その他にもファッションショー当日は、モデルとして出ていた人もそれを見ている人もみんな笑顔で楽しそうにしていたので、一体感が出てよかったかなと思います。
―決め方をガラッと変えたこともあり、よい効果が出ているかもしれないですね。
もし次回制服を変える機会があれば、ファッションショー形式で決めたいと思いますか?
木原様:やりたいですね。
―その時はまた、弊社にお手伝いさせていただけますでしょうか?
木原様:ここまでしていただいたので、もちろんです。
ユニフォームネクストさんも一緒にファッションショーを盛り上げるんだという心意気を感じましたし、サポートとして夜遅くに来ていただいたりもしたので、ここまでしていただけるのかと嬉しくなりました。
近藤次長:基本こちらの要望は、ほとんど聞いていただけましたからね。
―ありがとうございます。そういっていただけると、とても嬉しいです。
お客様の会社がもっと良くなるようにと思って、ユニフォームを販売させていただいています。
そうなるためのご提案をまたいろいろと考えさせていただきます!
木原様:たしかに今までにもいろいろと提案していただけましたよね。
こちらが気づかないようなことで「こんな素材もあるんですよ」とか「こういった性能がありますよ」と言っていただけたことで、候補に入れる商品の幅が広がりましたし、本当に利益だけが目的じゃないんだなと感じました。
担当者からのひとこと
営業グループ 佐々木
地域社会のために、よりよい暮らしの実現を目指して
―商品やサービスなど御社のアピールポイントを教えてください。
木原様:今回制服を変えた宅配事業に関しては、商品もサービスも全部便利ですね。
生協にしかない商品がたくさんあるのが魅力のひとつで、とくに冷凍食品は子育て世代の方におすすめです。
骨が取ってあるお魚でチンするだけですぐに食べられるものや、切れた状態でバラ凍結されているベーコンや油揚げなど、調理がしやすく便利な商品がチラシにたくさん載っています。
ご自宅までお届けしているので、お買い物でお困りの方にはぜひ利用していただきたいです。
―利用されている方というのはどのぐらいの世代の方が多いんですか?
近藤次長:今は40~50代ぐらいの方にご利用いただいています。また若い方向けの割引制度などがありますので、若い主婦の方にもご利用いただいています。
あとは、宅配だけはなく、”子育て支援ハーツきっず”で子供さんをお預かりしてワイワイする場を提供したりとか、さまざまなイベントなどをおこなっています。
―すべて人の暮らしに根付いているサービスですね。
近藤次長:そうですね。お年寄りの方や一人暮らしの方には夕食弁当をお届けしたり、
お店がない地域にハーツ便という移動販売車でお伺いしたりとか、いろいろなところでお役立ちできるサービスを提供しています。
―移動販売車は、介護施設にも行かれたりしていますよね?
近藤次長:そうです。介護施設にいる方に買う楽しみと言いますか、自分で選べる楽しさもお届けしています。いろいろな分野で生協がお役立ちできればいいなと思います。
―個人として、また会社としての今後の抱負を教えてください。
小玉様:私の抱負は、組合員さんとの信頼関係を築き、組合員さんに必要とされる存在になることです。
木原様:私は新人教育を通じて、組合員を心から気遣える配送担当者を一人でも多く増やしたいと思っています。生協は組合員の支援があるからこそ成り立っていますし、私たち職員は、組合員から多くのことを学び、励まされ、日々成長することができています。
毎週の配送を心待ちにしてくださる組合員の皆様のために働く。その喜びを新人職員に感じてもらうことができるよう、教育支援に努めたいと思います。
また、宅配だけでなく店舗や福祉などさまざまな業態にチャレンジできるのも生協の強みですので、選択肢がたくさんあるということも伝えていきたいと思います。
近藤次長:会社の理念でもある「組合員の満足と地域社会のために」ということで、生協として何ができるのかを追求していくことですね。食に関しても、福祉の分野に関してもそうですし、いろいろな分野の中で地域の方にどうお役立ちできるかということをこれからも考えなくてはならないと思っています。
それを実現させるためには、働いている社員が満足しないと会社として業績を上げることができませんので、働く職員を大切にしながら、組合員の方にどうお役立ちできるかが重要だと思います。みんなが明るく楽しく仕事ができれば、それが周りの方や組合員の方にも伝わると思いますし、仕事はつらい部分もありますけど、楽しくやらないと、楽しくしないとだめですからね。若い人たちで今の生協をさらに進化させていってほしいなと思っています。
―本日はお忙しい中、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。
取材を終えて
今回の取材を通して、大きな組織になればなるほど、現場の声は届きにくく採用されにくいものなのだなと、あらためて感じました。しかしながら社員にとって毎日身につけるユニフォームという存在は大きく、ただ安いだけのユニフォームでは、仕事へのモチベーションを下げる要因にもなりかねないことも再認識しました。
今回、県民せいきょう様は「ファッションショー」という形式をとり、全組織を巻き込んだ取り組みによって、現場の声を反映させました。大きな組織になればなるほど、一人ひとりの声をひろうのは大変なことですが、イベント性の高いファッションショーの取り組みは、たくさんのメリットがあることがわかりました。まずは、社員が楽しみながらユニフォームを選ぶことができる点です。またファッションショーというイベントで社員の一体感も生まれたのではないでしょうか。そして次に、みんなの意見を反映させたユニフォームにできる点です。決定権のある人だけが決めたユニフォームは、不満が出やすいものですが、「みんなの意見を取り入れた」という意識があるだけで、不満の声は出にくくなります。社員の満足度というものは仕事に直結しやすいものなので、会社の雰囲気や業績にも影響を及ぼすかもしれません。会社を良くすることの第一歩としてユニフォームの決め方を変えてみる、これもひとつの手段ではないでしょうか。
ユニフォームに関するお悩みを聞かせてください
ユニフォームに関するお悩みは、会社によって様々です。当社は、主にインターネットでユニフォームを販売していますが、できれば、全てのお客様のお悩みを聞かせていただき、それを踏まえた上で、お客様にとって最高のユニフォームをご提案したいと考えています。なぜなら、それぞれのお客様に合ったそのお客様にとっての最高のユニフォームこそが、「働く人を幸せにする」というユニフォームの本当の価値を発揮できるからです。 ユニフォームに関する悩みがある方は、こちらの問い合わせフォームから是非ご連絡ください!初めての方も安心してご利用下さい。
■作業服専門店ワークユニフォーム
written by ユニネクWEB制作チーム 佐々木浩孝 島田留奈