安全靴とは
安全靴とは、足先への重量物の落下や釘などの踏み抜き等、危険が伴う作業場で働く人の足を保護することを目的とした靴のこと。
つま先部に規定された強度をもつ先芯を装着しており、主に工事現場や重い機械・部品を扱う工場内、鉱業、建設業などで使用されることが多いです。
※正式にはJIS(JIS T 8101)に合格した靴を「安全靴」と呼びますが、この記事では、JISに近いつま先の安全性能を持つ「プロテクティブスニーカー」なども含めて記載しています。
安全靴の規格
安全靴は、国や地域によって異なる規格に準拠しています。日本では、日本産業規格(JIS)と、公益社団法人日本保安用品協会(JSAA)が定める2つの規格があります。
それぞれ定められた公的試験をクリアした JIS規格合格品を「安全靴」、 JSAA認定品を「プロテクティブスニーカー(プロスニーカー)」と呼んでいます。
JIS規格とは
JIS規格とは、日本産業規格(JIS=Japanese Industrial Standards)の略で、日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格のことです。
JIS(JIS T 8101)に合格した靴を「安全靴」と呼び、「安全靴」と呼べるのは、JISマークの入った商品です。
参照元:https://www.jsa.or.jp/whats_jis/whats_jis_index/
JSAA規格とは
JSAA規格(プロテクティブスニーカー規格)とは、JISを基に作られた規格のことです。
つま先の保護性能については、安全靴のS種・L種と同じ性能を持っていますが、甲被材料や底材については、安全靴に比べ耐久性が低く設定されており、普通作業~軽作業に適した靴を認定する規格となっています。
参照元:https://prosneaker.jp/about/
JIS規格とJSAA規格の違い
JIS合格品である「安全靴」、JSAA規格認定品である「プロスニーカー®」の両方とも主として足のつま先を守る作業用の履物です。それぞれを試験、認定する機関と、製品の素材・区分や規格内容が異なります。
参照元:https://prosneaker.jp/about/#block01
※プロテクティブスニーカーは、JIS規格品である安全靴と比べて、甲被・底材の素材の自由度がある反面、使用環境によっては底の剥がれ・摩耗や甲被の破れなど耐久性が劣る場合があります。したがって、耐久性を重視される方には、JIS規格品である安全靴の着用をお薦めします。
※デザイン性に富むプロテクティブスニーカーは、甲被材として加工しやすく軽い人工皮革、合成皮革、編物等が主に利用されており、軽量素材を使用した靴底が多く使用されていることから、軽作業用として広く活用されています。
安全靴の特性と利点
- 耐衝撃性:足を落下物や衝撃から保護するために強化されたつま先や中足部を持っています。
- 耐圧性:圧力や重い物から足を保護するために設計されています。
- 防滑性:滑りやすい床面での安定性を提供するために特別なソールが使用されています。
- 耐油性:油や化学物質に対する耐性を持ち、作業現場での安全性を高めます。
- 静電気放電防止:静電気の蓄積を防ぐために特殊な靴底が使用されています。
- 防護プレート:足裏には鋼板やコンポジット素材のプレートが組み込まれており、足裏からの貫通を防ぎます。
安全靴の種類
- 作業靴:工事現場や倉庫での一般的な作業に適した靴です。
- つま先ガード靴:つま先部分が補強されており、足先の保護に特化しています。
- 電気絶縁靴:電気作業などで電気を遮断し、足元の安全性を確保します。
- 防水靴:水や湿気から足を守るために防水加工が施されています。
- 高温耐性靴:高温環境での作業時に足を保護するために耐熱素材が使用されています。
安全靴の選び方
- 安全靴は、正しいサイズでなければ効果的に機能しません。足のサイズを測定し、適切なフィット感を確保しましょう。
- 作業環境に合わせて、必要な特性を持つ安全靴を選びましょう。例えば、滑り止めの機能が必要な場合は、防滑性の高い安全靴を選びます。
- JIS規格合格品か、JSAA認定品か、きちんとマークが表示されているか購入前に確認しましょう。
- 長時間の使用に耐えることができる耐久性のある靴を選び、快適な履き心地を確保しましょう。
安全靴の耐久性と寿命
- 一般的には、安全靴の寿命は1年から3年程度とされています。しかし、使用頻度や作業の種類によっては、より短い期間で交換が必要な場合もあります。
- 安全靴の耐久性は、使用される素材の品質によって大きく左右されます。耐久性の高い素材としては、耐摩耗性や耐久性に優れた合成皮革や強化されたナイロンなどがあります。
- 安全靴の製造技術も耐久性に影響を与えます。しっかりとした縫製や接着剤の適切な使用は、靴の耐久性を高める重要な要素です。
- 定期的な点検とメンテナンスは、安全靴の寿命を延ばすために重要です。つま先やかかとの磨耗、縫い目や接着剤の劣化などを定期的に確認し、必要に応じて修理や交換を行いましょう。
安全靴を購入するときは「どんな作業環境で履くか」「どの機能を必要とするか」を把握した上で選んでね!安全性を保つために、劣化したら早めの買い替えがおすすめだよ。