
異型断面糸とは

合成繊維の内、断面の形状が丸ではなく、Y型、三角形、花の形など特殊な形の糸のことをいいます。形状はY字・I字・W字断面、三角・四角などの多角形断面、花・星・雲形など多くの種類があります。
綿・羊毛・絹など植物や動物など天然素材から製糸した糸は、形が規則的ではなくそれぞれに特有の乱雑な形状を持っています。この乱雑さにより吸水性や通気性、保温性などを向上させる効果があります。
一方、ポリエステル・ナイロンなどの人工的に作られる合成繊維は溶融液を紡糸口金から射出して行うため、規則正しい断面の丸型の糸ができます。
そのまま利用すると着用時のぬめり感、独特の光沢が出てしまうという欠点を補う目的や、天然繊維の持つ美しさを合成繊維にも持たせる目的で、特殊な断面(異型)の糸が製造されました。
紡糸口金のノズルの形状を、三角形、多角形など、特殊な形にすることで比較的簡単に異型断面糸が製造できます。意図的に特殊な断面形状をつくることによって従来の丸と異なる特徴や性能をもつ繊維をつくることが可能となりました。形によって絹に似た風合いにすることもできるようになりました。
得られる性能例
・光沢
独特のぬめり感が軽減し、ドライなタッチになります。通常の丸型に比べて光の反射方向がばらばらになり乱反射することと、艶消し剤である酸化チタンを加えないことで更に光沢感を増すことができます。光沢のある繊維は上質なレディスウェアなどに使用されます。形状によって絹のような風合いを出すこともできます。絹鳴り(絹が擦れることで出る音)を再現することも可能です。
・吸水速乾性
中を空洞にして別の素材である吸水素材を注入することにより、吸水速乾素材にすることも可能です。繊維の隙間に水分を溜め込むことができ、隙間が毛細血管のような働きをし、拡散性が上がり速乾性につながります。スポーツウェアによく使用される吸水速乾ポリエステルはこの原理を利用しています。
・べたつき軽減
肌と繊維の接触面積が小さくなるため吸水性だけでなくベタつき軽減の特徴も持ちます。
・接触冷感
ひつじ雲型と呼ばれる形にすることで、肌触りをひんやりさせることのできる接触冷感機能を持たせることもできます。
・保温性
繊維間に隙間ができ空気を多く含むことができるため。保温性を生かして保温性の高いコートや中綿などに使用されています。
・軽量性
保温性と同様に繊維と繊維の間に隙間が空くことで多くの空気を含むことができ、軽くなります。中が空の中空繊維を使用することで通常の丸型の繊維を使用するよりもかなりの軽量化を図れます。
ユニまる博士 断面を変えることで、触感・風合い・光沢が改善され、さらには多彩な機能が生まれるよ!

