気温の高い夏以外は、汗やデオドラントの心配はないと安心しきっていませんか?ニオイ対策が気になるのは、夏だけではありません。服を着こむ秋冬も、ニオイの落とし穴があるのです。
寒い季節にニオイが発生する原因
意外と厄介な「冬の汗」
【1】秋冬も意外と汗をかきやすい
気温が低くなると、私たちの体は体温を維持するために、エネルギーを消費して体温を上げる働きをします。夏よりも寒い季節のほうが体温を上げるために代謝がよくなり、汗をかきやすい体になっています。
また、寒い季節はジャケットやカーディガンなどを重ね着することが多くなりますが、
何枚も着込んだ状態で、暖房の効いた部屋や満員電車にいると、体温調節が難しくなります。
基礎代謝が高い状態で、体温調節ができない環境にいると、ちょっとした動きで汗をかいてしまったという記憶は誰しもがあるでしょう。
夏よりも汗をかかないと思われている冬ですが、思った以上に汗をかいているのです!
【2】夏より厄介な汗のニオイ
さらに、冬の汗は夏よりもニオイが強いという衝撃の事実が!
夏は体温が高くなった時に出る「温熱性発汗」が多いですが、冬は脇などに発生する「ストレス性の部分汗」が多くなる(=精神性発汗)といわれています。この精神性発汗は、アポクリン腺の多い脇から急激に出るため、血液成分を再吸収させる余裕がなく、濃度が高くニオイの強い汗になります。
【3】汗が乾きにくい
夏は衣類も薄手で速乾性も高いため、通気性がよく汗が蒸発しやすいのに比べて、生地が厚めで保湿性の高い秋冬の衣類は、汗の蒸発が遅く、衣類がジメッとした高温多湿状態になりがちです。
寒い季節に起こりやすい「生乾き」
汗だけではなく、洗濯後の生乾きも不快なニオイの原因に…。
気温の低い冬は衣類が乾きにくく、湿った状態が続くため、夏よりもニオイが発生しやすくなります。
タバコや空気中の臭い
さらに、自分自身が気をつけていても、外から付いてしまうニオイもあります。暖房などの空調やタバコや排気ガスなどは、少しの接触でも、しっかりとニオイが移ってしまいやすく、困りものです…。
また、空気中のホコリやゴミは、厚手のコートやニットと絡みやすく、そのホコリやゴミを細菌が分解することで、服がクサくなってしまうのです。
これで安心!秋冬のニオイ解消法
ここからは、そんな寒い季節ならではの、厄介なニオイ対策法をお教えします!!
その1:汗をかかないための予防策
ニオイ解消には、なによりも汗をかかないのが一番です!
こちらの2つのポイントを押さえて、汗を予防しましょう。
Point1体温調節できる服装にする | |
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厚着による過度な体温上昇を防ぐため、カーディガンやストールなど、かんたんに脱ぎ着できる服装で、こまめな体温調節を心がけましょう。通気性・速乾性がある商品を選ぶのも手です。 | |
Point2こまめに水分を取る | |
秋冬は夏場に比べて喉の渇きが少なく、水をこまめに飲むことが多くありません。その結果、体内の水分量が少なくなり、汗を臭くする成分の濃度が増して、「濃い汗」が分泌されてしまい、ニオイの原因になります。意識して水分補給を心がけましょう。 |
その2:汗をかいてしまったあとの対策法
どうしても汗をかいてしまったときは、次にあげる方法で早めの対策を!
Point1霧吹きやスチームで湿らせひと晩干す | |
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汗だけで他に汚れがない場合に有効です。 服を裏返し、ハンガーにかけてつるします。汗が染みた箇所(わきの下・背中など)に霧吹きやアイロンのスチームでしっとりさせます。その後、風通しの良い場所につるしてひと晩自然乾燥させます。 衣服に吸着したニオイの原因は、目には見えない粒状のニオイ成分の付着によるものです。この付着した粒状のニオイ成分を、霧吹きやスチームアイロンの水分を衣服に染み込ませることで、水分にニオイ成分を吸着させ、乾燥したときに水蒸気と一緒に放出する、まさに「臭いのリセット」ができるのです。 ※シルクなどのデリケート素材には霧吹きは使わず、固く絞ったタオルで裏表両側から挟んでたたいてください。 |
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Point2機能的なインナーに頼る | |
かいてしまった汗をそのままにしておくと、ニオイはもちろん、風邪の原因にもなります。吸湿性や速乾性のあるインナーを着て、汗をできるだけため込まない工夫をしましょう。 |
その3:洗濯物の生乾きを防ぐ方法
夏よりも乾きにくい秋冬の洗濯、ニオイ発生を防ぐ4つのポイントを押さえましょう!
Point1洗濯物はため込まずに、こまめにおこなう | |
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生乾きの大きな原因は、湿った状態で長く放置すること。洗濯物をゆとりあるスペースで干すと、早く乾きます。洗濯機を回すのが面倒だからとため込まずに、洗濯はこまめにおこない、十分なゆとりをもって干すようにしましょう。 | |
Point2「仮干し」を挟む | |
洗濯物をいつも外で干している人にオススメの方法です。①洗濯機を夜に回し、朝までは室内で「仮干し」をおこなう。②その後日中に外で干す「本干し」をおこないます。これで部屋干しの嫌な匂いが服に残らずに、カラッと乾かすことができます。 | |
Point3抗菌消臭効果がある洗剤を使う | |
市販の洗剤も進化していて、抗菌消臭効果がある洗剤も、たくさんあります。抗菌消臭効果のある洗剤を使わない場合は、すすぎのときにカップ半分ほどの酢か、15gほどのクエン酸を入れると、生乾きのニオイを防ぐ効果があります。 | |
Point4洗濯物の下に新聞紙!? | |
意外な方法ですが、新聞紙は除湿効果があることで知られています。洗濯物の下に新聞紙を敷き、それに向かって扇風機を回すだけで、早く乾く効果があります。 |
その4:毎日洗えない制服やスーツのケア方法
毎日のように着続けている服は、これらの方法でニオイ発生をケアしてください。
Point1ブラッシングでニオイの原因を取り除く | |
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仕事を終えて退社するとき、あるいは帰宅後に、洋服ブラシを使ったブラッシングで、ニオイの原因になる細菌を落としましょう。 上から下へ生地を傷つけないように、優しくなでるように、ブラッシングするのがポイントです。さらに静電気を防ぐ天然素材のブラシを使うと、ブラッシング後にホコリがつきにくくなるので、オススメです。 |
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Point2制服を休ませる | |
細菌は湿った環境で増えます。もし替えの制服やスーツがあるならば、帰宅後に風通しの良い場所で、一日ほど陰干しをして、衣類を休ませてください。できれば厚手のハンガーにかけて、乾燥しやすい空間を作ると、効果がアップします。 湿った状態だったり、ホコリが付いたままの衣類を、クローゼットなどの、閉め切った場所へしまうのだけはNGです。さらにニオイがきつくなります。 |
高機能商品で万全のニオイ対策!
消臭効果や速乾性など、ニオイの原因を解消するユニフォームがたくさん出ています。はじめからこのような高機能商品を使用するのも、お手入れの負担を軽くし、お仕事中も快適に過ごせるというメリットがあります。ぜひ取り入れてみてください!
消臭効果のあるユニフォーム
ユニフォームそのものに、消臭効果のあるテープや、素材を使用しています。
寒い季節でも気軽に洗濯できる、速乾性商品
乾きやすいからいつも清潔、ニオイを軽減!
汗対策のインナー
ジャケットや上着に汗や湿気をつくのを防ぎます。
この記事を監修してくれたユニフォーム博士
岩田 百志(いわた もとし) ユニフォームを販売して20年。 豊富な商品知識から、商品の特徴(素材・デザイン・機能面)を瞬時に判断し、お客様に最適なユニフォームを提供するユニフォームコンシェルジュ。 現在では、後身の指導にアドバイザリーとしても尽力。 |