
トリコット素材とは

生地の種類である編物(あみもの)の一種で、経編(タテあみ)で作られた素材のことです。
さらにトリコットはデンビー編み、コード編み、アトラス編みの3つの組織に分類されます。
編物(ニット)の中では織物に近く、両者の長所を併せ持つ素材です。
トリコットは衣料用の経編のほとんどを占めており、伸縮性に優れていて風合いがやわらかく、フィット感もあります。そのためインナーウェアやスポーツウェアなどにもよく用いられているアイテムです。
生地の種類と構造について
まず生地には大きく分けて「編物(あみもの)」と「織物(おりもの)」の2つの種類があります。
編物とは、タテあるいはヨコ方向に連続した糸のループを形成させる方法で作成されている生地のことです。
この編物は一般的に「ニット」と総称されます。
イメージしやすい毛糸の編物はもちろん、スポーツウェアに使われる生地にもニットは幅広く使われているのです。
また織物は、タテ糸とヨコ糸交差させて作成された生地のことを指します。
さらに編物は、緯編(ヨコあみ)と経編(タテあみ)の2つに分かれており、この経編のひとつがトリコットです。
トリコット素材の特徴
トリコットの特徴はなんといっても編物と織物、2つの長所を併せ持っているところです。
編物(ニット)の長所を残し、扱いづらさなどの短所はカバーされています。
・ストレッチ性

編物(=ニット)生地であることから、伸縮性に優れているところが最大の特徴です。
動きやすさが重要視されるスポーツウェアはもちろん、働く人の動きをサポートするユニフォームにも幅広く使われています。
・形状安定性がよい
洗濯後に形が崩れてしまう心配が少なく、イージーケアと謳われているシャツやブラウスにはニット素材が使われていることが多いです。
またシワになりにくく折り目もつきにくいため、毎日使う制服に好まれることも頷けます。
その他には、
・風合いが柔らかく、着心地が良い
・通気性がある
といった特徴や、トリコットの経編は生地を切りっぱなしにしてもほつれにくく、端処理(はじしょり)の必要がないことも特徴です。
由来と歴史
トリコットの生地の種類である、編物の産業の歴史はフランスで発展しました。
その後1589年(諸説あり)にイギリスで足踏式による靴下編機(緯編)が発明され、1775年には同じくイギリスで経編機が登場し、トリコットが生まれました。
それから編機の改良が進み、手編から機械編への移行していったそうです。
1849年には現代のメリヤス編機に多く採用されているベラ針を考案したことで編物工業の進歩が促進されていきます。
日本ではもともと衣類を編むことはほとんどなかったそうですが、17世紀後半にスペインやポルトガルから編地が渡来したことで普及していったそうです。
トリコット機が日本で導入されたのは1899年、ドイツ製の機械からでその後日本メーカーも次々と製造販売しましたが第二次世界大戦により一時中断。
現在はドイツメーカーのトリコット機が多数を占めているそうです。
ユニまる博士 トリコットの「トリコ」はフランス語で「編む」っていう意味があるんだよ!
編物産業が発展したフランスが由来になっている言葉なんだ!
ハーフトリコットとシングルトリコット
トリコット編機の糸を導入する筬(機織の付属具)が二枚によって編まれる編地をハーフトリコットといいます。
安定性に優れた生地でトリコットを代表する編地です。
一枚筬で編まれた編地はシングルトリコットといいますが、編地が薄く安定性が良くないため、特殊な用途以外ではほとんど使われていません。
2wayトリコットとは
2方向(タテ・ヨコ)に伸縮する特性があるトリコットを指す言葉。
トリコット製品は基本的にこの2wayトリコットである場合が多く、寝具などにも使われることが多い上質な素材です。
ナイロントリコットとは
ナイロン素材を使った薄く透け感のあるトリコット生地のこと。
衣装用などに使用されることが多く、切りっぱなしでも端がほつれません。
ストレッチ性は控えめであることが多い。
トリコット起毛とは
起毛とは、片面に組織された繊維をかき出して毛羽を起こし、生地を厚くやわらかい肌触りにし、保温力を増加させる方法です。
トリコット(編み方)で起毛されているものをトリコット起毛といいます。
防寒着などの裏地(裏布)に使われる事が多い素材です。
トリコットメッシュとは
経編(タテあみ)のトリコット編み機で編まれる、メッシュの総称。
通気性や肌触りが良く、夏に適したアイテムに使われることが多い接触冷感素材です。
その特徴からインナーウェア(下着)やアウターまで幅広く使われています。
トリコットの活用シーン
伸縮性に優れて形態安定性が高いためインナーウェア(下着)に多く使われています。
また同様にストレッチ性が求められるスポーツウェア、フィットネスウェアに使われることも多いです。
動きやすく、型くずれしにくい特徴は、毎日着る制服やユニフォームにも最適な素材といえます。
ユニまる博士 トリコットは日常生活の様々なところで使われているんだよ!普段着ている洋服やインナーウェアなどを見てみると新たな発見があるかも?
福井県とトリコット

ユニフォームネクスト株式会社のある福井県にはトリコットを開発・生産・販売している企業が多くあります。
福井は繊維王国とも呼ばれていて、温暖多湿な気候に恵まれ古代より絹織物の生産が盛んだったそうです。
明治以降も繊維産地として盛んに進化し続け、現在でも世界に通用するハイクオリティな素材を生み出しています。
この記事を監修してくれた生地のプロ
| | 北潟 芳樹(きたがた よしき) ユニフォームネクスト株式会社 商品管理グループに所属。 東京でアパレルブランドに勤務後、福井県の生地製造メーカーへ転職。その後、2020年にユニフォームネクスト株式会社へ入社。 服飾用語や生地全般の情報に精通しており、現在はユニフォームネクストYouTubeチャンネルで「生地のプロに聞く」シリーズで生地の知識を配信中。 |
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